「介護保険認定調査のポイントを把握しよう!」
はじめに:
新規の利用者を受け持つ場合の利用者の状態把握と、課題整理総括表の作成には認定結果の把握が重要です。課題整理総括表を作成してそのあとにサービス利用計書画作成することが望ましいと私はおもいます。
介護保険の認定調査とは何か、どのような情報が含まれているかを紹介します。
介護保険の認定調査は、利用者の介護支援がどの程度必要か?と言う調査です。
対象の利用者の病気の重症度を評価するものではありません、介護者の手がどの程度かかるのか?を評価して自立度の高い方は要支援1、少し支援が必要なら要支援2,さらに支援・介護が必要なら要介護1それ以上であれば2・3~5と介護支援が必要な方と評価されます。
具体的には、身体状況・心理的状態・生活状況などを調査し、必要なサービスやケアのレベルを判断します。
認定調査員は介護支援専門員の資格を有して、調査員としての講習を修了する必要があります。
調査項目は上記の調査票を参照して頂くとわかりますが、項目として5つの項目に分かれています。
1項目目は
身体の動き、四肢の動き、立位保持・歩行・視力・張力で 13個
2項目目は
日常の生活動作、移乗・移動、食事・排泄・洗身・更衣など 12個
3項目目は
意志の伝達・日時・場所・曜日・季節・記憶力など 9個
4項目目は
作話・妄想・徘徊などBPSD(認知症周辺症状)など 15個
5項目目は
金銭感覚・買い物・調理などIADL(手段的日常生活動作)6個
全部で55個の調査内容です。
調査員として慣れてくればおおよそ30分程度の調査です。ご家族からの聞き取りとかで話が長くなる場合があったり、同居家族がいない場合、関係者からの聞き取りも必要となる事もあります。
55個のテストの中で1・2で21個のテストは体の動きをみてる。
3・4・5の項目は、ほぼ認知症の程度を確認しています。
これらの調査項目と、主治医意見書による大事な医療情報があります。
基礎疾患・現病歴・既往歴・服薬状況、最近の治療状況 HDS-R MMSEによる認知症のテスト結果 関係医療機関などが記載されている。
この現病歴・既往歴・認知症テストの結果と調査結果を基に対象の高齢者の全体像が6割~8割わかると思っています。残り2割は本人の性格・家族の状況・支援者の有無が分かれば、対象の高齢者のに必要な支援がかなり具体的に把握できると思います。
認定調査は1次判定 コンピュータによる判定(認知調査員の作成した調査票を基に判定)つまり、ある程度の介護支援専門員の経験があればだれでも1次判定の予測ができます。
それが下に示した3社のシュミレーションです。介護ソフトに付属しているものもあります。
シュミレーショントリケアトプス シュミレーターイチロウ オアシス介護
認定結果で、体の動き、現病歴・既往歴・認知機能など対面する前からある程度の状態を把握することができます。
利用者に必要なサービスやケアプランを作成する際の参考になります。認定結果は、サービスの量や入所施設の制限、福祉用具の制限が生じたり、追加の書類作成が必要となったり介護保険サービスの利用者や申請者にとって重要な結果となります。
認定結果のポイントをまとめます。
まず、認定分類には、要介護1~5、要支援1~2の7つがあります。要介護度が高いほど、より多くのサービスが利用できます。また、認定結果には認定の有効期限や評価項目の詳細も含まれています。これらを確認することで、利用者の具体的なケアニーズを把握しやすくなります。これにより、利用者にとって最適なサービスやケアプランが提供されます。
また、留意点として、認定結果は新規の場合12か月、更新の場合24か月または36か月の認定機関があります。
また、利用者の状況が変化した場合には、再認定の申請(区分変更申請)を行います。この場合状態の変化により出た調査結果なので、認定期間が6か月と短い場合があります。多くは1年の認定期間です。認定には認定期間があり更新申請、区分変更申請、新規申請などケアマネの業務として期間を把握して申請の代行が行えるように介護保険法に記載されています。
まとめ:
介護保険認定調査のポイントを把握することは、介護保険制度を活用する上で重要です。認定結果をしっかりと把握し、適切なサービスやケアプラン作成に活かしましょう。利用者の生活をサポートするために必要な情報を正しく把握することは、介護の質を向上させる一歩となります。是非、認定結果と主治医意見書を確認して、医療と介護・本人と家族がチームとなって、利用者が自宅で安心して幸せな生活をおくることができるように、支援・サポートできるようなチームを作り自立支援につながるプランニングをしましょう。