ケアマネが知っておきたい!課題整理総括表の活用方法とは?
ケアマネージャーの皆さんは、課題整理総括表を活用したていますか?この記事では、課題整理総括表の作成された背景、その使い方と活用方法、さらにそのメリットについて解説していきます。ケアマネージャーとしてより効果的なケアプラン作成業務を行いたい方は必見です!
課題整理総括表について H26.6.17 介護保険最新情報vol379 PDF 47枚
課題整理総括表ができた背景・目的
課題整理総括表はH26年に登場しています。その背景については介護保険最新情報vol379で解説してあります。なぜこのツールが必要とされているのか、その目的とは何なのか?課題や課題解決において、どのような役割を果たすのかを理解していきましょう。
介護保険最新情報vol379の序文を要約すると
平成25 年1月に「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」において中間整理がとりまとめられ、ケアマネに求められる役割は大きいが、アセスメント力の不十分さが指摘された。
H26年、医療と介護の連携、多職種協同、情報共有、それらを基にケアプランを作成し、モニタリングしてプランの見直しと言う一連の流れの中での評価ツールとして課題整理総括表・評価表が策定された。と言う経過があります。そのためケアマネの更新研修などでの周知教育が勧められることになります。
また、ケアマネのアセスメント力の不十分さに対して、国はこれからのケアマネのアセスメント力の向上のために何が必要か?その対策としてH30年以降のケアマネの受験資格は有資格者が対象になりました。これは、ケアマネに求められる知識が一定以上の教育を受け試験に合格している人でなければ勤まらないと言うことを示唆することができます。介護の経験だけでは、ケアマネに求められるアセスメント力は向上しないと判断したのだと思われます。
*参考資料 第22回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について 厚生労働省
※ケアマネの受験者数は減っています。合格率は20%前後です。
1~22合格者
ケアマネの44%は介護福祉士・次いで看護職が23.9%、次が相談援助業務従事者の11.1%、社会福祉士6.3%その他18%(1回~22回までの職種別合格者数参照)の方が現役でケアマネ業務をされています。このような職種別であっても、ある程度標準化したアセスメントができるツールとして作られたのが課題整理総括表ととらえることができるのかもしれません。
課題整理総括表の使い方とメリット
課題整理総括表の具体的な使い方を解説します。どのように活用することができるのか?
使い方
①阻害要因:項目を見てみると左上に日常生活の阻害要因とあります。ここに何を記載するか?
私は現病歴(病名)または既往歴を主に記載しています。介護保険最新情報vol379でも疾患名が記載されています。それは病気があるから困っている方が殆どです。高齢者の殆どが持病があります。
②現状:項目は17項目の現状を(自立・見守り・一部介助・支障あり)に分類する
①移動 ②食事 ③排泄 ④口腔 ⑤服薬 ⑥入浴 ⑦更衣 ⑧掃除 ⑨物品の整理 ⑩金銭管理買い物 ⑪コミュニケーション ⑫認知 ⑬社会との関わり ⑭褥瘡・皮膚問題 ⑮行動心理症状(BPSD) ⑯介護力 ⑰住環境
17項目の現状に支障が有るか否か、自立・見守り・一部介助・支障ありかを〇で囲むだけで現状の状態が一目瞭然で解る、とても素晴らしいとおもいます。
③要因:阻害要因は最初に記載した疾患との関係を①②③などで記載、自立の場合は記載なし
④要因で①②③などを記載した右の改善・維持の可能性を自分の判断で丸で囲みます
⑤右枠の見通しに自分なりのアセスメントを左側の改善・維持を参照して自由記載する
⑥一番右の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)案となります
メリット
①フォーマットに沿って記載するだけなので楽
・この17項目は全て認定調査の内容と一致する内容なので認定調査の結果を見ながらこのリストを完成させるだけで支障のある事、自立している内容、支援が必要な内容が分類出来てとてもアセスメントしやすくなります。
・高齢者の状態が把握しやすくなる
②文章を考える量が少なくて、同じ様式なので慣れたら入力が簡単
③文章で書く量が少ない
④時系列的な評価がしやすい
・過去と現在を評価:認定調査時と現状が違うか否かも、良くなっているのか悪化しているのか判定できます。
・介護サービスを入れる事で良い結果が得られるのではと評価する
どのような介護支援に効果がり、結果として功を奏するだろうと予測し、良かったのか否か評価する、また、支援しても悪化した原因についても同じツールで評価することで考察しやすい。
こそがアセスメントであり、ケアマネに求められる業務でありそのアセスメントを基にプランに落とす事が(介護サービス内容の追加変更)できるスキルが求めれらている。と言えるのではないでしょうか?
⑤アセスメントしやすくなり、プランに落としやすくなる。
⑥ケアマネが把握した現状・見通しから、プランを立てた意図をサービス事業者に伝えられる。
情報共有がしやすい。
以上のようなメリットを感じています。デメリットはあまり感じていません
3)導入するための手順や注意点にも言及します、導入を検討している方は必読です。
導入のためには
1)事業所で使うかどうかを検討
2)介護ソフトに入っている場合が多いので確認してみる
3)介護ソフトに無い場合はバージョンアップをする
4)エスセルをダウンロードして個人ファイルで管理する(お勧めしない)
4)課題整理総括表を使った感想
私自身は2023・2月にGH→居宅に移動になり、5月から介護ソフトが変更になった事をきっかけに使い始めました。2023年8月に介護支援専門員の更新研修に参加しましたがこの時に周りのケアマネさんの利用状況は少なかったです。(申し込みが遅れた為 経験者では無く再研修枠で受講しました)
まとめ
①高齢者の現在の問題(困りごと・現病歴・既往歴)は殆どが持病と通院問題が多いと感じています、思い当たる疾患名だけでも以下にあげましたが、どうでしょうか?それぞれに専門の診療科目があり、かかりつけ医はどこで科は?となります。
整形外科的 骨折・膝関節疾患・腰椎椎間板ヘルニア・椎体圧迫骨折・椎体骨折・肘・手関節
循環器:生活習慣病・高血圧・心筋梗塞・大動脈瘤・不整脈・心不全・
脳外科:脳梗塞・脳血管疾患・硬膜外血腫・硬膜下血腫・脳腫瘍・脳梗塞・動脈瘤
認知症:脳血管性認知症・中核症状・物忘れ・アルツハイマー型認知症・若年性認知症
肺疾患 誤嚥性肺炎・肺炎・インフルエンザ・喘息
消化器疾患 食欲不振・胃潰瘍・便秘
泌尿器科疾患・排尿障害・前立腺肥大・前立腺がん・腎不全他
精神内科・精神科(不眠・不穏・妄想・幻覚・幻視・幻聴・行動障害・躁・鬱)
つまり高齢者の生活に疾患名は生活を阻害する要因、経済的負担・受診のための交通費・体力・受診時の介助者の必要性など生活そのものを阻害する要因といっても過言ではないでしょう。
帰宅後の服薬管理・処置・経過の観察、その経過をDrに正しく伝え、服薬の効果があったのか否かを報告する必要があります。それらをしてくれる家族または友人がいれば良いですが、いなければ・訪問介護・看護・リハビリ・民生委員・友人などの支援者を整える事がケアマネとしてのアセスメントであり必要なスキルだと考えています。
実際にケアをするのはケアマネではなく介護・看護職員・デイサービスの職員・家族・友人です。福祉用具の方からはメンテナンス時に家族からの要望を聞いているかもしれません。その方がたからいかに日常生活の様子・情報を集めて、アセスメント・評価してプランに落とすか?それがケアマネの仕事だと思います。
①課題整理総括表は、各事業者との情報共有ができる事で多職種がチームとして支援するために役立つのと考えます。
②高齢者の問題は多岐にわたり、考えがまとまらない事がありますが、このツールを使うことで考えをまとめられると思います。
③ケアマネのアセスメントがケアプランに反映し、高齢者の支援サービスにつながりますのでしっかりと情報を収集してアセスメントしてプランを立てる、その流れを作るためにも課題整理総括表の活用方法を理解していきましょう。
以上が、課題整理総括表の使い方やメリットについて解説しました。ケアマネージャーの方々にとって、より効果的な業務を行うためのヒントが得られる内容となっていれば幸いです