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ケアマネ業務

訪問看護指示書と特別訪問看護指示書の違いとは?介護と医療の連携

nobusan

はじめに

介護と医療の連携は、高齢化社会においてますます重要となっています。高齢者で介護認定を受ける方は殆どが何らかの疾病を抱え通院している方が多い。そのような高齢者を担当するケアマネ はかかりつけ医との連携、専門医との連携を図ることになります。病院の医師または地域連携室の職員を通じて、外来や入院中の情報を提供してもらったり、入院時には家庭の様子をケアマネが情報提供することがあります。この相互の関係が必要ですが、退院後に病態を考慮して訪問看護師をプランに入れ退院後の病態を経過観察、医師への報告、看護師からケアマネにも情報をもらうこともあります、また、ケアマネから情報を提供するということもあります。このような情報交換できる関係を作る必要があります。しかし地域差を感じたこと、また、ショートステイ時に特別訪問看護指示書についてついて確認する機会があったので今回ブログにしました。


地域による訪問看護指示書に対しての医師・ケアマネ・訪問看護師の違い

指示書がなかなかな出ない!
訪問看護をプランに入れるため同僚のケアマネ・病院の連携室・看護師・医師に確認した時、経験数の違いからか?なかなか医師からの指示書が出なかった事があった。※在宅医の存在、訪問診療を行っている医療機関が少ない、そのため訪問看護の件数も少ないのかもしれない。?

ケアマネの意識
ケアマネの中には、「訪問看護は点数も高いし、なぜ訪問看護を使う必要があるかがわからない。」とか、「病院や看護師、医師とのやりとり、指示書をもらうのは敷居が高い、難しい」とか聞きました。
医療従事者と介護職の教育の違い、資格の違い知識の違いから、見えない壁が存在するのだろうと思います。

最後は病院
在宅での療養を不安に思っている人が多い、地域的な問題なのか?世間体を気にしているのか?全国的な統計でも病院で最後を迎えることが統計上多い。状態が悪くなったら病院と思っている人が多いのだろうと思います。確かに状態が悪くなれば治療が必要です。しかし老衰と思われるような方も救急車で病院に搬送する、この治療か?看取りか?の線引きはとても難しい事ではあるけど日頃から本人・家族・施設職員(相談員)ケアマネとターミナル時期をどの様な対応をしていくか、話し合っておくべきではあると思います。
病院でもある程度の治療を行い、それ以上は治療方法がないため在宅でと退院の話になる事も多々あります。

看取る場所
最後を迎える人は自宅で迎えたいと望む人は多い、しかし現実は病院で最後を迎える人が多い、それは支援する側の意識が何かあれば病院で診てくれる、最後は病院で・・・と思っている事がこの違いを生んでいる。
病院は治療をする所で死を迎える場所ではない。と言う考え方が少しずつ広まってきて、施設や在宅で最後を迎える方も少し増えてきている様です。

 

 

訪問看護指示書 医療と介護の違い

  • 医療保険
    対象
    ①40歳未満で主治医から「訪問看護指示書」を交付された方と
    ②40歳以上で要支援認定・要介護認定を受けていない方が対象です。
    ③末期がんなどの特に重い病気を患っている方
    ④主治医から「特別訪問看護指示書」の交付を受けた方は、週4回以上の訪問看護が可能です。
    原則として週3回が利用上限です。
  • 介護保険
    対象
    ①65歳以上
    ②40歳≦65歳で特定疾病で介護認定を受けている人
    要介護・要支援度に応じてケアプランを作成したうえで、訪問看護サービスを利用できます。
    利用回数に制限はありません。

訪問看護指示書と特別訪問看護指示書の違い

  • 訪問看護指示書
    患者さんの自宅で行われる医療サービスです。訪問看護の主な役割は、医師からの指示に基づいて、患者さんの健康管理や病状の評価、診療の補助などを行うことです。訪問看護を実施する際には、訪問看護指示書が作成されます。訪問看護指示書には、患者さんの状態や必要な治療・療養・リハビリ内容が詳細に記載されており、訪問看護師がそれに基づいて訪問看護を実施します。
  • 特別訪問看護指示書
    褥瘡処置のため毎日の訪問と処置が必要な場合、がんの末期、その他特定疾病で頻回な訪問が必要と意思が判断した場合であるが、施設制限があります。老人保健施設・療養型医院はNG 末期癌の場合はOK
  • 自己負担額
    医療保険で訪問看護サービスを利用する場合は、70歳未満の方は自己負担額は3割負担で、義務教育就学前の6歳未満の子供は2割負担です。
    70歳から74歳までの方は2割負担で、75歳以上の後期高齢者は1割負担ですが、70歳以上の方でも現役並みの所得がある場合は3割負担になります。介護保険で訪問看護サービスを利用する場合は原則として1割負担ですが、医療保険と同様に、現役並みの所得がある場合は2~3割負担になります。

施設制限

施設入所中の訪問看護は次のことに注意しましょう!

  1. 老健・介護医療医院 ダメ
  2. 特養・地域密着型特養 △ 末期癌のみ
    「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する利用者
    1)急性増悪等により頻回の訪問看護が必要と主治医が認め、特別訪問看護指示書が交付された場合
  3. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム )
    医療保険OK 介護保険はN G
    介護保険での訪問看護は認められていません。
    ただし、下記の場合は医療保険で提供が可能です。
    グループホームは、訪問看護ステーションとの契約により訪問看護が利用可能です。
    グループホームには「医療連携体制加算」が支払われ、訪問看護ステーションへは契約により「グループホームから費用」が支払われます。
  4. 短期生活介護(ショートステイ)NG  △末期癌のみ(医療保険)
  5. 小規模多機能 OK 指示が出せる疾患 末期癌

    訪問看護における施設への訪問の可否【まとめ】

訪問看護と特別訪問看護 具体的な事例紹介

事例1 訪問看護

独居・または、高齢夫婦世帯でご夫婦ともに通院が必要、妻、脳梗塞右手の不全麻痺、握力の低下 夫、服薬管理不良、自炊ができない、最近転倒して頭部の外傷で入院妻より先に退院、
夫が先に退院したので訪問介護を利用、妻の退院に合わせて2人で通所介護をプランニングするも拒否、訪問介護・看護をプランい入れ、入浴、リハビリ目的で訪問看護、介護は生活支援と入浴の身体介護をプランに入れた。妻の退院前カンファで住宅改修・手すりの貸与なども利用。

事例2 特別訪問看護指示書事例

95歳以上の高齢女性、住宅型有料に独居、体調不良もあり特養にショートステイ中朝食事の時に意識消失、職員がかかりつけ医に受診、ケアマネに連絡があり、家族に連絡車で1時間以上はかかる距離に在住、検査が終了し診察時施設職員と一緒に検査結果と今後の治療についてについて説明があり、脳のCT梗塞なし、胸部レントゲン心不全、血液検査の結果、腎機能の低下、決算にて脱水傾向、BNP高値で心不全、点滴の指示あり、今後訪問看護で点滴を特別訪問看護指示書で数日指示があった、しかし、病状として心不全・腎不全・CTRが60%以上、BNP4000以上で点滴は?と言う事と、現在特養にショートステイ中のため主治医に再度指示を確認して、特別訪問看護指示書は取り下げになった。この症例の場合、経口的に食事、水分の摂取が出来、水分過多で心不全を憎悪させる可能性があり連日の点滴指示の必要性に疑問があり、特養にショートステイ中で今後入所の可能性もあり特別指示書について再確認した。

まとめ

高齢者に多い生活習慣病・糖尿病・高血圧・心筋梗塞・脳梗塞などの既往歴のある方は定期薬を正しく服用して再発を予防する必要があります。そのためにも、訪問看護が必要となる高齢者はいると思います。また、日常の健康管理として指導してしたり、運動習慣をつけるためのリハビリ、身体の清潔を保つための入浴・清拭など訪問看護をプランに入れる事で医療機関との連携がスムーズになると思います。。医療機関との連携では、訪問看護師と医師との定期的な情報の共有が行われます。医師からの指示を適切に受け取り、患者さんの診療や薬剤管理などを行うことが重要です。

次に、ケアマネージャーとの連携です。ケアマネージャーは、患者さんやご家族のケアプランを立案し、訪問看護師や医療機関との調整役を担っています。ケアマネージャーとの連携を通じて、患者さんの状態やケアニーズを把握し、それに適した訪問看護を実施することが重要です。

介護と医療の連携は、高齢化社会においてますます重要となっています。訪問看護は、その連携を支える役割を果たしています。訪問看護指示書や特別訪問看護指示書は、患者さんの状態やケアニーズを的確に医師に伝え、正しい服薬を継続するために欠かせないものです。訪問看護の利用で医療機関との連携を図り状態の変化を素早く把握し治療につなげたり、健康の維持増進のために患者さんやご家族の健康をサポートしましょう。

 

 

 

ABOUT ME
ナース・ケアマネ
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居宅ケアマネ
看護師/介護支援専門員/認定調査員/キャラバンメイト/認知症実践者研修終了/ 主任介護支援専門員(2025.2取得予定)  2025.2に一人ケアマネ事業所設立を目標に2023.11月からブログを開始しました。 2018年にケアマネの試験に合格、看護師の資格がありましたので同年10月から地域包括で保健師枠でケアマネの仕事を開始、2019年(約1年後)要介護者のプラン作成目的のため転職、住宅型有料・デイサービスを運営する会社で一人ケアマネを1年半経験、2021年社会福祉法人に転職、約1年半グループホームを経験、2023年2月 同法人の居宅に移動、同年10月更新研修終了 (プロフィール他画像はStable Diffusionで作成したAI画像です。)
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